タグ:コロンビア便り
【日本語チューター】コロンビア便り−第9報−
今年も残り少なくなってきました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、今回は日本語学習の教材について少しご紹介したいと思います。写真の教材は、今年の2月に開催されたボゴタ日本人学校のバザーで購入したひらがなとカタカナの練習帳です。50音を覚えるためのイラストがポイントになっており、少々強引ですが50音それぞれに関連づけたイラストとスペイン語の説明が載っています。カタカナの「マ」のイラストは手提げカバンの取っ手が「マ」の形にしてあります。スペイン語で書かれた覚え方のヒントには「“マ”は手提げカバンの取っ手」と書いてあります。スペイン語で手提げカバンは“maletín”(マレティン)、取っ手は“manija”(マニハ)と言います。ただ単に50音表で覚えるよりは、発音も一緒に覚えやすいのかもしれませんね。日本語の教材(『みんなの日本語』等)は書店での取り扱いはほとんどなく、以前はコピーのコピーが主流のようでした。今ではネットで購入が可能になり、手に入りやすくなっています。ひらがな、カタカナの練習帳は写真で紹介したタイプの様に、スペイン語圏で独自に作られたものが使われることが多いですね。まだまだ世界中に、現地の人が覚えやすい教材があるのかもしれませんね! Kokokaで集めてみると面白そうですね!
【日本語チューター】コロンビア便り -第8報-
コロンビア便り -第8報-(2020年7月13日)
こちらで強制自宅待機措置が始まったのは3月20日(金)でした。最初は強制自宅待機の訓練期間として3月23日(月・祝日)までの予定でした。それでもスーパーには買い物客が殺到し、米や豆、パスタ等の日持ちする食品は売り切れ続出でした。そして訓練期間のはずが、4月12日まで延長になり、本当の強制自宅待機へと変更になりました。その後もさらに延長、また延長で7月現在も継続中です。でも、もし最初から“4月12日まで自宅待機”と発表されていたなら、もっと大混乱になっていたでしょうし、状況をみて延長したのは正解だと思います。
この間、下記のようないろいろな対策がとられました。
- 性別によって偶数日と奇数日で外出日を分ける
- 高齢者は開店1時間の間に優先的に入店できる
- 入店はひと家族1名のみ
- 犬の散歩は一回30分程度OK
- 運動のための外出は1時間以内自宅から1km以内
- 子供の外出は1日30分以内、週に3回まで
- 許可なく市外への移動禁止
- 市バスの運行本数減以上が過去に実施された対策の一部です。
そんな中、住宅街に様々なジャンルのバンドがライブ音楽を演奏して回り、アパートの窓からは拍手や感謝の言葉、リクエストの声が響き渡ります。お金だけでなく食べ物も窓からバンドたちに渡されます。ベランダで踊りだすお年寄りもいました。
この数ヶ月間、自宅に篭りつつ日本とはまた違ったコロナ禍を過ごしています。いつか『あの時は大変やったなぁ』と、言える日が来るのでしょうか。コロンビアでは感染者は増加している状況です。まだまだ先は見えませんが、感染予防に留意しながらも、何か小さな楽しみを見つけられたら…と、思います。
水曜午前クラスチューター 武島 聡美
武島さんありがとうございました!この記事は7月に寄稿されました。これまでの記事はタグで検索できます。初回から第4報までは旧ブログでの連載でした。このブログ内で読めるように作業中です。しばらくお待ちください。
【日本語チューター】コロンビア便り -第7報-
新しい一年が始りました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
この年末には初めての体験をしました。コロンビアの12月31日には“Año Viejo”(アーニョ
ビエホ)と言う行事があります。”Año”は年、”Viejo”は古いを意味し、端切れで作った人形
を燃やして一年の厄をはらいます。人形と一緒に、一年間でよくなかった事、忘れたい事を
書いた紙を燃やします。そして、来年叶えたい願いを別の紙に書き、財布に入れておきます。
人形の大きさは様々です。等身大の人形には爆竹を入れて燃やすので、騒々しいくらいです。
12月31日の日付けが変わると同時に、あちらこちらで花火が上がり、とても賑やかに新年を
迎えます。日本の静かな年越しとは一味違いました。いずれにしても新しい年に希望を託す
心は同じですね。
写真左 クッキー缶に入るぐらいの大きさの人形
写真右 人形を燃やしています(環境に優しい素材)
さて、日本語の勉強についてですが、今は『みんなの日本語』初級第6課をやっています。
第5課から動詞が出てきましたが、動詞に力を入れると、時間の表現(今週、先月、来年等)
や名詞(物の名前)を忘れがちになります。そこで、「次回はミニテストをします」と言った
ところ、生徒さんはとても身構えてしまいました。こちらとしては気軽な気持ちだっただけ
に、ちょっと驚きましたが、急遽、単語カードを作り「ゲーム、ゲーム!クイズだよ!」と
言うと、途端にやる気になりました。とにかく続けられることをモットーに、今年も試行錯誤
の一年になりそうです。
皆様にとって楽しい一年になりますように。
水曜午前チューター 武島 聡美
【日本語チューター】コロンビア便り -第6報-
コロンビア便り −第6報−
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。こちらは雨の季節に入り、時々雹も降っています。
さて今回ご紹介するのは、私が日本語を教えている生徒のハロルドさんです。彼が
日本語に興味を持ったきっかけは合気道です。こちらの道場で練習に励み、日本の講習会
にも参加したことがあります。2年前から日本語を勉強し始め、日々の生活で忙しい中、
途切れ途切れになりながらも、現在『みんなの日本語 初級 第5課』に入りました。
私は最近、ハロルドさんと言語交換を始め、スペイン語を教えてもらっています。
日本で購入したスペイン語のテキストは、基本的にスペインのスペイン語が載っています。
しかし、実際生活してみると使われている単語が違ったり、独特の言い回しがあったりと、
辞書やテキスト通りにはいきません。言語交換でハロルドさんが詳しく教えてくれたのは
“挨拶”についてでした。スペイン語にも日本語の「あなた」「君」に相当する言葉があり、
地方によって使い方も異なります。『相手との立場や関係性によってうまく使い分ける
ことが、コミュニケーションをとるうえでとても重要だから』と、ハロルドさんは
言っていました。これは外国でも日本でも共通することであり、テキストでは得られない
日常生活に必要なことを、実際に人から教わることの大切さを感じました。
写真説明:授業中は正座です。漢字も積極的にノートに書いています。
水曜午前クラス 武島 聡美
【日本語チューター】コロンビア便り -第5報-
日本は平成から令和へと新しい元号になりましたね。こちらでも少しニュースになりました。
初めての長期ゴールデンウィークはいかがでしたでしょうか。コロンビアは4月の中旬にキリスト
の復活祭がありました。この週の連休を利用し、ボゴタ市から車で1~2時間の郊外にある小さな
町へ向かいました。山道に入ると霧が深くなり、川も見えてきました。緑豊かな谷間を流れるの川は、
流れが急で白く波立っているようでした。しかし、窓から入る空気はひどい刺激臭があり、慌てて
窓を閉めました。同乗者によると、その川は「ボゴタ川」で市内中の排水が下流のこの場所に流れ
込んでいるそうで、白い波に見えたものは、汚水による泡でした。今回は霧で見えませんでしたが、
川の近くに有名な“テケンダマ滝”があります。落差およそ100mの壮大な滝も汚水が流れているとの
ことです。ご興味のある方は「テケンダマ
滝」で検索してみてください。日本でも40数年前はヘドロ
臭い側溝や川がありましたが、随分と改善されました。コロンビアでも対策はとられていますが、
道半ばといったところでしょうか。
さて、日本語の学習についてですが、日本語学校ではない個人レッスンの自由さをいかして教える
順番を変えています。特に漢字は学習者の興味のある分野については、「みんなの日本語」第3課を
勉強中でも、N3やN2に出るものでもドンドン教えています。例えば、武道を練習している学習者は
技の名前はいつも聞いているので、その漢字を教えると喜んで、とても覚えるのが早いです。個々の
ニーズの合わせて準備するのも楽しいものです。 水曜午前クラス 武島 聡美