【日本語チューター】年末の日本の習慣
年末が近(ちか)づくと、とても慌(あわ)ただしい気分(きぶん)になります。
例(たと)えば、年賀状(ねんがじょう)は25日(にち)までに出(だ)して、休(やす)みの日(ひ)には台所(だいどころ)やふろ場(ば)などの水回(みずまわ)りや窓(まど)ガラスや門扉(もんぴ)の掃除(そうじ)・・・というふうに頭(あたま)の中(なか)でやるべきことのスケジュールがいっぱいになり、忙(いそが)しく感(かん)じます。何(なに)もしなくてもいいのですが、やはり新(あたら)しい年(とし)を気持(きも)ちよく迎(むか)える準備(じゅんび)をしたいという人(ひと)がたくさんいます。だいたい28日ごろまでに大掃除(おおそうじ)をすませ、次(つぎ)はお正月(しょうがつ)を迎える買い物(かいもの)です。
京都(きょうと)では暮(く)れの買い物は錦(にしき)市場(いちば)が有名(ゆうめい)ですが、お節(せち)料理(りょうり)の材料(ざいりょう)や、家族(かぞく)で食(た)べるなべ物(もの)の材料などなんでもそろうのが錦市場です。今(いま)は外国人(がいこくじん)観光客(かんこうきゃく)もたくさん訪(おとず)れ、イートインのスペースもあって錦の食材(しょくざい)の楽(たの)しみ方(かた)も様変(さまが)わりしているようです。
28日か30日には餅(もち)つきをします。ずっと京都に住んでいる方(かた)に聞(き)いたところによると、29日は「苦餅(くもち)」といって餅つきは避(さ)けるそうです。自宅(じたく)での餅つきはあまり行(おこな)われなくなりましたが、そのお家(うち)では、臼(うす)と杵(きね)で今も餅つきをしています。
餅つきも終(お)わり、30日までにしめ飾(かざ)りも整(ととの)え、お節料理もできて大晦日(おおみそか)です。
一年(いちねん)を振(ふ)り返(かえ)り、年越(としこ)しそばを食べ、除夜(じょや)の鐘(かね)をききます。年末の慌ただしさが終わり、ほっとできるひとときです。
何もしなくても新年(しんねん)は来(き)ますが、節目(ふしめ)として大切(たいせつ)にしてきた年末の行事の数々(かずかず)は、最良(さいりょう)のリフレッシュ法(ほう)かもしれません。新(あら)たな年を迎える心(こころ)の準備として、私(わたし)たちに謙虚(けんきょ)に日々(ひび)の生活(せいかつ)を大切にすることを思(おも)い起(お)こさせ、気持(きもち)も新たにしてくれるのです。